菜摘が襲われるシーンは衝撃的だった。


咄嗟に森に身を隠したものの、その光景は鮮明に脳裏に焼き付いていた。


突然現れた骨人間は菜摘の肩を食いちぎった。


次に絶叫する菜摘の喉元に刃を立て、そこを食いちぎった。


菜摘は悲鳴を上げる事すらできなくなり、ヒューヒューと乾いた空気を喉から出していた。


それでも骨人間は辞めなかった。


相手の命を完全に奪ってしまうまで、菜摘の体を噛み千切り続けたのだ。


急所を一発で噛み千切るのならまだしも、簡単には死なない場所を徐々の徐々に攻撃して行った。


菜摘は最後までちゃんと意識があり、恐怖で目を見開いたまま死んでいったのだ。


思い出すとひどい吐き気に襲われて、あたしは森の入り口に軽く吐いてしまった。


骨人間はどうしてこんなに残酷なことをするのだろう。