真琴の事について上手に誤魔化す事ができたかどうか、正直自信はなかった。


和希と菜摘は何か疑っているようにも見えた。


けれど、ここでボヤボヤしている時間はない。


とにかく歩くしかないのだ。


「あとどのくらいで森の出口なの?」


菜摘がカケルへ聞いた。


「まだまだ先だよ。休憩したり逃げたりしながらだからなかなか先に進めない」


カケルはそう言いため息交じりに左右に首を振った。


歩きはじめた時は早朝だったのに、今はもう陽が傾きかけている。


もうすぐ森の中は真っ暗になることだろう。


そうなると歩く事は困難になる。


小屋の中にいたとしても、野生動物たちに襲われる可能性もあった。


気持は焦っていても、乃愛がケガをしているからスピードを上げることもできなかった。


俺と乃愛はみんなの最後尾について歩く形になっていた。


歩くのが苦しそうになってくると、乃愛をおんぶして歩いた。


とにかく、立ち止まる事だけは避けたかった。