小屋から出て来たあたしたちは無言で歩き始めていた。


小屋で見た映像が何度も蘇ってきて吐き気がする。


それを何とか胸の奥に押し込めて、あたしたちは幸弘たちを探していた。


「小屋で見たことは黙っていよう」


途中でそう言ったのは和希だった。


「どうして? あんなひどい事をしたのを許せるの?」


すぐに菜摘が反論する。


菜摘はさっきから何度もえずいていて、今も苦しそうだ。


「許すなんて言ってないだろ」


和希は菜摘を睨み付けてそう言った。


「許せるワケがない。だけどあいつらはもう俺たちの事を友達だとは思ってないはずだ。合流できたとしても、俺たちを生贄にするかもしれない」


「そんな……!」


幸弘はそんな人じゃない!


と、反論しかけて言葉を飲みこんだ。