次第に足音の数が増えて行くような感覚にとらわれる。


今にも小屋の戸を開けて骨人間が一斉に入って来るのではないかと、恐怖が全身を包み込む。


なにかないのか。


人を助けるために設置されている小屋だ。


なにか役立つものはないのか。


薄い期待を抱いて戸棚の中を確認する。


戸棚には沢山の食料と飲料が詰め込まれていて、それ以外は見当たらない。


「なにしてるの?」


真琴が弱弱しい声で聞いてくる。


「何か役に立つものがないか探してるんだ」


そう返事をして戸棚の奥まで確認する。


なにもないか……。


諦めかけたその時だった。


戸棚の奥に隠されるようにして茶色いノートが置かれているのが見えた。


普通に見ただけじゃ、戸棚の色と同化して見過ごしてしまうだろう。