足音が聞こえ始めてから5分くらいが経過していた。


周りの足音がやまない。


みんな無言でその足音に耳を澄ませている。


外の連中は一体いつまでここにいるつもりなんだろう。


小屋の中に俺たちがいることに気が付いて、寄って来たのだろうか。


考えてもわからないが、きっと来た人間の匂いなどを嗅ぎ分ける事ができるのだろう。


そして、今は俺たちが小屋から出て来るのを待っているんだ。


俺は深く息を吐き出した。


外の連中が諦めてくれる方法があればいいけれど、それを知る手段がない。


なにせ相手は生き物じゃないのだ。


死人なのだ。


お経を読んだり、悪魔祓いをすると言う方法は浮かんでいたけれど、それができる人間がない。


まさに八方ふさがりだった。