見えて来た小屋の中には沢山の食料と飲料があった。


「よかった。これで体力は回復できるな」


創吾がスポーツドリンクを飲んで安堵したようにそう言った。


俺も固形の栄養補助食品を口にする。


朝から何も食べていないから、さすがに空腹感もあった。


「森の出口まであとどれくらいかわかる?」


真琴が創吾へ向けてそう聞いた。


「あぁ……。まだ半分も来てないと思うけど……」


車じゃないし、あんなことがあったからか創吾は自信がなさそうにそう言った。


この森に土地勘があっても、さすがにカケルほどじゃないようだ。


「とにかく、ゆっくりでもいいから出口に向かおう」


俺はそう言い、乃愛の手を握りしめたのだった。