小屋に入って30分ほど休憩した頃だった。


外から物音が聞こえてきて、あたしたちは身をこわばらせた。


「今の音、なに?」


菜摘が聞く。


「わからない。でも、足音だったよね?」


ガサガサと、草をかき分けるような物音だった。


人の声や動物の鳴き声は聞こえて来ない。


「幸弘たちじゃないよね?」


あたしは不安になってそう聞いた。


幸弘たちは道を間違えて進んで行ってしまった。


その事に気が付いて、戻って来たかもしれない。


「それなら声をかけてくるはずだろ。小屋があれば中に入ってきてもおかしくないしな」


和希が言う。


「それなら、今の物音はなに?」


菜摘は今にも泣きだしてしまいそうだ。