走って走って走って、途中で躓いてことでようやく止まった。


心臓は飛び出してしまいそうなほどは早く打っている。


あたしは自分の胸をギュッと掴み、振り向いた。


後方からカケルと菜摘の和希の3人が走って来る。


なんだったの今のは。


森から出て来たソレは人間の形をしている骨だった。


ボロボロになった衣類を身に着けた骨は森から出て来ると、あたしたちに襲い掛かろうとしてきたのだ。


「大丈夫か?」


追いついたカケルにそう声をかけられて、あたしは左右に首をふった。


こけて擦りむいた膝が痛むけれど、そんな事も忘れてしまうくらい、恐怖で体中が震えていた。


「とにかく小屋まで行こう」


「幸弘たちは大丈夫か?」


和希が来た道を振り返って心配そうに言った。


「彼等は違う道に行ってしまったからね……。でもこの森には小屋は沢山ある。運よく見つけていればきっと大丈夫だよ」