もうすぐ小屋が見えるはずだ。


休憩でがきる。


そう思って安心した矢先だった。


森の右手からガサガサと物音が聞こえて来て、俺たちは咄嗟に立ち止まっていた。


カケルも険しい表情を浮かべている。


「野生動物?」


乃愛が小さな声でそう聞く。


カケルは「そうかもしれない」と、返事をした。


草の揺れ具合から見て随分と大きな動物みたいだ。


もしかしたらクマとかかもしれない。


そうなると、一気に逃げるのは危険だ。


俺は乃愛の手を握りしめた。


緊張から背中に汗が流れて行く。


みんなから緊迫した空気が流れて来るのがわかった。