歩いても歩いても森の出口は見えてこない。


20キロという道のりは歩いていると途方もない距離に感じられていた。


さっきから会話は途絶え、みんなの呼吸音だけが聞こえてきていた。


時々設置されている小屋で休憩をとっているものの、同じ景色ばかりを見ながら進んでいくのは精神的にもきつかった。


道はいくつか別れ道になっているところもあったが、カケルは迷うことなくズンズン進んでいく。


みんなそれについて行きながらも、本当にカケルの事を信じていのかどうかまだわからないままでいた。


それに、カケルは儀式の存在を知っていた。


カケル自身が儀式に関わった事があるような、思わせぶりな事も口走っていた。


あれは何を言おうとしたんだろう。


考えながら歩いている間に、ふっと森の中に吸い込まれてしまいそうな感覚になる。


強く首をふり、前を睨み付けるようにして歩みを進める。