「自殺者か?」


俺は真琴がボロを出さない内に、カケルに聞き返した。


するとカケルは「そうだよ」と、頷いた。


深い森だとそう言う事もあるのだろう。


そんな者たちのための小屋と食料のようだ。


この小屋に入る事で少しでも気持ちが収まればいいと思って設置しているのだろう。


「さっき見て回った時、森の地図も見つけた」


和希がそう言った。


「あぁ。この小屋で空腹を満たせば気分が変わるかもしれない。だけど、出口がわからないんじゃどうしようもないからね」


カケルが答える。


「どうしてそこまでするんだ?」


そう訊ねたのは創吾だった。


「この森は色々いわくつきなんだ。詳しくは言えないけど、沢山の人が死んだんだ」


カケルの言葉に俺と創吾は目を見交わせた。


こいつはやっぱり儀式の事を知っているのだろうか。


「ねぇ、早く行こうよ。本当に陽が暮れちゃうよ?」


乃愛の言葉に俺はゆっくりと頷いたのだった。