夜。


食欲なくて、部屋にいたらドアが開いた。

「あれ、寝てんのー?」

勝手に入ってくるのは、いつものこと。

「優。おめでと!!」

潜っていた布団から出て、精一杯の笑顔で言った。

「あー、うん。」

少しだけ横に目をそらしたのは、
優が照れている証拠。

「日菜子、大事にしろよな!」

なんて、友達らしいことをいう。

「わかってるよ。」

「ほら、もう行きなよ。つーか、これからはこうやって部屋に来たりしないでね。」

「なんで?」

「いや、当たり前でしょう。2人付き合ったんだから。あのね、言っときますけど私女でさよ。女ー!女の子の部屋に入ってるの日菜子が知ったら怒るでしょう!」

「あーそうか。」

「ほら、出てってよー。」

うまく笑えてるのかわからなくて、
無理やり外に出した。