ちっこいそいつは、
産まれたばっかなのに母さんのおっぱいを必死に飲んでいる。

「抱っこする?」

看護師が俺にそう言った。

「え。」

「抱っこしてやって。」

母さんに言われて、俺はちっこいのを抱っこした。

「よ。ちびすけ。」

そう言うと、ちびすけは目を一瞬開いた。

「ふふ。お兄ちゃんだね。」

「あぁ。」

こんなだけど。

お前のにいちゃんだよ。

命ってすげえ。

「母さん。」

「んー?」

「俺もこんな風に産まれて来たのか?」

「そうよ。」

「母さん、ありがとな。うんでくれて。」

なんとなく言いたくなった。