オ「ここにいる皆さんは、今日から王立魔法学園の生徒です。貴族や階級なんて関係ありません。あなたたちは生徒です。ここにいる仲間や上級生、先生と一緒に高みを目指し切磋琢磨し合える関係になりましょう」



入学式会場である講堂で、学園長の声が響く。


学園長の名前は、オーレリー・アポリネール。

我が家、ボールドウィン家とも仲の良い、伯爵家の当主だ。




私たちは彼が学園長であることを知っていたし、彼も私たちが合格したことを知っていたが、別に、その関係からやましいことがあったわけではなかった。


学園への資金援助は国王に頼まれているが、それによって優遇されるものというのはほとんどない。



「オーレリー話長いねぇ。懐かしいレベルだよ」



オーレリーは未だに話し続けていたが、もう体感で10分は喋っている気がする。あくまで気がするだけなのだろうが。

昔から耳にしてきた長い話を聞くのに飽きた私は、隣にいるユアンに話しかけた。




ユ「ここまで教師感あるとは思わなかったよ……この感じ、10年ぶり?だよねぇ……」




クラスは式が終わった後に試験で習熟度別に分けられるので、私たちは合格者番号順に座っていた。

名字が同じで名前も「ユ」と「ロ」で始まる私たちは、幸運なことに当然受験番号も座席も隣同士である。