「ま、たしかに嫌味な先輩だなぁとは思ったけどね。すみませんでした、ご迷惑をおかけし本当に申し訳ありません。後数人で測定も終わりますので」
先輩の怒りが最高潮に達したのを感じながら、私はユアンの手を引いた。
先輩を背に変顔を決めてやったのだが、気づいたものはいるのだろうか。
あぁ、これからの学園生活が楽しみだ。
まずは誤解を解くことから始まりそうだな。
「ユアン、大丈夫大丈夫。体裁上あんな言い方したけどさ。ボールドウィンはそう簡単に汚れたりしないし、楽しみはまだこれからだよ」
環境の変化で気持ちが高揚しているのか、情緒不安定になり容姿相応な態度のユアンを慰める。
「謝るとかももう要らないから、切り替えて楽しもう。しばらくはオリエンテーションとかばっかりだよ!楽しいことしかない!これを楽しみにここまで生きてきたんだから!」
ユアンは俯いたまま。
そりゃあそうか。
反省を全くしないのも困るし、しばらくはそっとしておこう。
ユアンの背中を時折撫でながら、私たちは列に並んだ。



