レ「すみません、お父様」
お兄様がシュンとしてしまった。
「あっお父様!用意しといてくれてありがと、本当に助かったよ」
私たちは何もなかったかのように言う。
ア「ローナ!ユアン!会いたかったぞ!!寂しくはなかったか?!」
(ほらね、チョロい)
こうなることが分かっていたから。
ユ「大丈夫だよ!こうしてお父様にも会えたしね!」
「そうそう。お父様、会いたかった!」
ア「おっ……お前らぁぁぁ!パパからのギューっだ」
お父様は、目いっぱいに両手を広げる。
それを避けながら、私は言った。
「……あっもうこんな時間。ユアン、戻らないとまずいよ!」
ユ「ほんとだ!お父様、僕たち戻らなきゃ。……お父様。お兄様が蚊帳の外にされて寂しいって」
ユアンが口の端を上げながらお兄様を見た。
レ「なっ……お父様、俺はそんなこと……!!」
突然名指しされ、戸惑いを隠せず顔がひきっつている。
ア「レオ!そうか、お前も寂しかったなぁ!俺は家族みんなを愛しているぞ!!」
レ「えっいや寂しくなんか」
ア「強がらなくてもいいぞ!さぁ、おいで」
お父様はまた両手を広げる。
それを見たユアンが「ざまぁ」と言ったのを私は聞き逃さなかった。
「……こわ」
ユ「ん?」
「なんでもなーい。戻ろ、先輩方が待ってる」
ユ「そうだねー。じゃあまた週末に、お父様、お兄様」
私たちはそう言ってすぐに逃げた。
(この家ほんとに大丈夫なのかな)



