それは突然だった。
「おめでとうございます!あなたは『奇なる縁を持つ者』に選ばれましたーっ」
「……へ?」
随分と情けない声が出た気がするが、気にしてる場合じゃない。
だって、ベッドの隅で固まる俺の前には、やけにキレイな顔をした男がいい笑顔で佇んでいる。
ここは俺の部屋だ。俺一人の楽園のはずだ。
つーか、『金なる園を持つ者』ってなんだ??
金ができる庭ってこと?マジで?
え、俺金持ちになったのか?宝くじ応募した覚え無いんだけど……
やばい、頭真っ白だ!
いやいやいやいや!
・・・ちょっと状況を整理してもいいだろうか。
麻木龍太、15歳。あと少しで16歳。高校の入学式を明日に控え、ヤバいくらいの興奮とちょびっとの不安で眠れずにいた。ので、
取り敢えず気持ちが落ち着くまでゲームでもしてようと、ベッドに寝転んでいた。
はずだった。