うーん…

もう会えないかもしれないから、この気持ちを伝えたい…


だけど…


いつ…


退院するまえに言わないと、後悔する。



わたしは、ドキドキを通り越して、ずっとそんなことを考えていた。



「ななちゃ〜ん、調子はどう?」


そんな私を無視するかのように、先輩は入ってきた。


「せ!先輩っ!」


ビックリして、叫ぶようにそう言った。


「ん?」






「あ、いえ…なんでも…」


このまま勢いで言おうかとも思ったけど、今の格好を思い出して、止めた。


パジャマだと、流石に恥ずかしい…

何度も見られてるから、そんなこと関係ないかもしれないけど、やっぱりオシャレをしてからにしたい。


「そう?ならいいけど…

はい。体温測ってね。」


渡された体温計を挟む。




少しの間沈黙が続いて、少し重い空気を遮るかのように、ピピっと体温計がなった。



「見せて?」



(36.8)


「うん、下がってきたね。

夜にまた上がると思うから、明日1日様子を見て、退院ね。」



「退院できるんですか!?」



「うん。もう、発作も治まってるしね。

もちろん、薬は出すからそれをちゃんと飲むこと。
あと、無理しないで、少しでも違和感があったらすぐに病院にくること。

これが守れるならいいよ。
ななちゃん、仕事の休み1週間しか取ってなかったでしょ?」


そう言われて、なんで仕事の休みまで知っているんだろうと思ったら、職場に電話した時、先輩の前だったことを思い出した。