まさか、俺はそんなことを聞かれると思わなかったから、びっくりだ。
凛さんって、三枝さんのことかな…?
「ん?三枝さん?」
とりあえず、聞いてみよう。
俺が、三枝さんと言ったら、ななちゃんは考えていた。
もしかして、三枝さんが何かしたのかな?
「三枝凛さんは、ななちゃんの担当だった、ナースさんだよ?
三枝さんがどうかした?」
俺がそう言うと、納得したような顔をしたあと、すぐに顔が暗くなった。
「三枝さん…と、仲良いの…?」
三枝さんと?
そりゃぁ、
「ん?まぁ、仕事出来るし、頼りにはしてるかな?」
「プライベートは?」
プライベート?
そんなの関わりほとんどないけど…
「ななちゃん、本当にどうしたの?」
俺がそう言うと、ななちゃんは怒ったように立ってこう言った。
「もういい…」
なんか、勘違いしてる?
もしかしたら、昨日の検診であの噂聞いたのかも…
そのままリビングを出ようとしたから、パッと腕を捕まえる。
「まって!」
「離して!」
ななちゃんは俺の腕を振りほどこうとしている。
「待って、ななちゃん何か勘違いしてない?」
俺がそう言うと、ななちゃんは腕を解こうとするのをやめた。
「三枝さんは仕事仲間だからね?
もしかして、他のナースからなにか聞いた?」
「…」
図星か…
多分、三枝さんと俺の噂を聞いたんだろう。



