それから、お粥を作って、様子を見ながら朝まで過ごした。



朝になっても、起きる気配がないので、そっと寝室に入り、体温を測る。



ぴぴっと音が鳴って、見た。


(40.0)


少しずつ下がって入るけど、40.0を下回らないのは、ななちゃんも辛いはず…


連れていこう…


病室に空きは無くても、今日の俺が仕事終わるまで、診察室で寝かせるくらいなら大丈夫なはずだ。



簡単に支度をして、ななちゃんを抱き上げる。



病院までは近いけど、車で行こう。


10分かからずに病院に着いて、裏口から入る。



「あれ?おはよう。裏口からなんて珍しいな?」


いつもは正面から入る俺が、裏口から入ったから、ビックリしているらしい。


ちなみに、声をかけてきたのは、俺の同期の水瀬 和人(みなせ かずと)だ。


「あ、おはよう。丁度いいところに!座薬持って、第3診察室に来て。」



第3診察室は、いつも俺が使う診察室だ。



「え、あ、おう。」


和人は戸惑いながらも、そう言って、薬剤室に行ってくれた。



和人がいて助かった。

ななちゃん見ててあげたかったし。