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「……気分はどう?」



「今は普通……」



「そ。なら良かった」




あたしは東條の敷いていた、氷枕を替えながら言った。



あの後。
あたしが一体どうなったのかは聞かないで欲しい。

だって……ね。
一生に一度あるかないかの貴重な体験が出来たよ、うん。





「……怒ってるか?」



その後、もう一度ダウンした東條はベッドの中から呟く。




「別に?……仕方ないし」



「……そ」




東條はそう言って、ベッドの中でゴロンと寝返りをうった。



別にあたしは、東條に怒ってるワケじゃない。
ただ……あんなバカな勘違いをした自分が、今さら恥ずかしく思えただけ。





「これじゃあ、あたしが期待してるみたいじゃない……」




そんな事あるわけないのに。