「ふーん……」



東條は興味なさげに呟くと、聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で言った。




「蘭が優しくしてくれるなら、毎日病人になってもいいのに」



「…………へ」




予想外の出来事に、あたしの動きは一瞬静止。
『開いた口がふさがらない』とは、まさにこんなことなんだろうな……



東條……今、なんて言ったの?



『蘭が優しくしてくれるなら、毎日病人になってもいいのに』



確かにそう、言ったよね?
あたしの聞き間違い、なんかじゃないよね?




「────……っ‼」




みるみるうちに、顔が熱くなっていく。


お、落ち着けあたし‼
こんなの、東條のいつもの冗談だって‼


毎日毎日引っかかってる冗談じゃん‼