慣れてきた視界の中で、目の前にある東條の顔をじっと見つめた。


長いまつ毛。整った顔。

……そりゃこんだけカッコ良かったら、女子から人気あるのも当たり前だよね。





「……ん」



東條の口から声が漏れたその瞬間、なぜかあたしはぱっと目を瞑り眠ったフリをした。




「……あれ……俺、寝てた……?」



焦った……
心臓が、めちゃくちゃドキドキいってる。

それでもあたしは、目を瞑ったまま眠ったフリをしていた。





「……蘭、寝てる?」



そう言って、東條の手がそっとあたしの頬に触れる。

な、なに……?
あたしは、更にギュッと目を閉じた。



チュッ……


え?
驚いたのもつかの間。

あたしの身体は、ギュッと東條に抱きしめられていた。