「だってわざわざそんな事されるくらいだからさあ。
東條くん、蘭のことほんとに好きなんだなあーって思って」




縁はそう言いながら、自分が持っていたココアを一口飲んだ。


……そんな事?




「そんな事って?」



「え、マジで気づいてなかったの!?」




縁は驚いたようにあたしを見ると、「後ろ向いて」と言った。

不思議に思いながらも、素直に後ろを向く。



縁があたしの背中に手を伸ばした。





「ハイ」



「……んん?」




振り返って、縁が手渡した紙を見た。


……何これ?
目を擦って、もう一度見てみる。

いや、間違ってない。





「何じゃこりゃー‼‼」



「紙」



「わかってるよっ‼」