俺だけのLovelyメイド

「みんな……」



「泰臣様、蘭さんの格好はバッチリでしょう?」



そう言ってニコッと笑ったのは──美椰さん。


ますます、意味がわからなくて。

あたしは東條に抱き上げられた状態のまま、首を傾げる。




「あたし達から蘭に、プレゼントだよ」



東條が選んでくれた、と言っていたドレス。

美椰さんがセットしてくれた、髪。

縁が、わざわざ一番前の席に連れて行ったことも。



もしかして全部、最初から──……?





「……っきゃあああ!?」



その瞬間。

突然もう一度照明が落ち、あたしは思わず悲鳴を上げた。




「行くよ?」



「へ……っ、て、うわ!?」



宙に浮いたままだった身体が揺れて、あたしは腕を伸ばして東條の身体にしがみついた。