──日曜日。

今日は、東條と香乃華さんの結婚式。





「……行きたくない」



ベッドの上に座ったまま、小さく呟く。


あたしは、東條家のメイドだから。
強制的に結婚式には行かなければならないらしい。



“待ってるから”


……あたしが行って、何になるって言うの?
こんなふうにしてまで、あたしに見せつけたいの?



──香乃華さんが、いるくせに。


あたしが行ったって、今さら居場所なんてない。

どうすることも出来ない。




その時、ベッドの側に置いていた時計のアラームが鳴った。

顔を上げて時計を見ると、7時を指している。


……もうそろそろ、準備しなきゃ。



のろのろと起き上がり、ベットから下りるとクローゼットの方へと足を進めた。