見つめたままそう訊ねると、東條は軽く首を横に振った。



「……さあ、知らないけど」



──嘘、ついてる。

だって、目、合わせないもん。




「……な、んで……、なんで嘘つくの？」



そう言ったあたしと視線を合わせて、東條は少しだけ困ったような表情をみせた。




「なんで……っ、あたしのこと振ったくせに、こんなことするの!?

酷いよ、東條は‼
あたしが、東條のこと好きだって知ってるくせに……っ‼

あたしのこと……もう好きじゃないなら、こんなことしないでよっ‼」



こんなこと、言いたいわけじゃなかった。

それなのに、口は止まらなくて。


言ってしまった後。
東條の顔を見て、後悔した。