「ちょっと‼大変‼」


その時、勢い良くドアが開いて、クラスの女の子達が入って来た。
そのまま視線が、あたしに向けられる。




「東條くん、結婚するんだって‼‼」




──やっぱり、無理だったんだ。

それじゃあ、あたし達は……




「……蘭」



「──っ……」




無理だった。

もう、無理だ。





「──蘭さんっ」



その時、聞こえた声。

あたしは涙を拭い、顔を上げた。


目に映ったのは、同じ制服を着た──香乃華さんの姿。



香乃華さんはあたしを見てニコッと笑い、目の前まで近寄って来た。




「凛さん、私この学校に入ることになりましたの。
泰臣さんもまだ17で、式を挙げても正式に籍は入れられませんから」