「朱希様からの、伝言で……」



「何ですか?」



「伝言で──……

泰臣様と香乃華様の結婚式を、来月行うって──……」




──え?

待って。
意味、わかんない。

なんで、どうしていきなり……




「……なにそれ」



「あ……っ、泰臣様……」




美椰さんの驚いたような声と同時に、背中に感じる温もり。後ろからギュッと回された、腕。




「──……東條」



「俺、結婚はしないって言ったはずなんだけど?なんで、勝手に話進めてるわけ?」



いつもより低い、声。
その声に、思わずビクッとなる。




「……で、いつするつもりだって?」



「あ……、来月の、第2日曜日と言っておられたんですが……」



そう答えた美椰さんは、小さくうつ向いた。