ガチャッとドアを開けた途端、勢い良くドアが開いて東條が部屋の中に入って来た。



「えっ、ちょ……東條!?」



「しっ‼静かにして」




急いでドアを閉め、そう言って東條はあたしの口を手で塞いだ。

何秒か経って、東條はあたしから手を離した。




「ごめん、大丈夫か?」



「……あ、あたしは大丈夫。

それより東條、どうしたの?
ここに来たことがバレたら怒られちゃうんじゃ──……」

「だから、こうやってこっそり来たじゃん」



東條は軽くクスッと笑って、ポンとあたしの頭を撫でた。

……この感じ。何だか、久しぶりだ。


そう思っていた時。
ふいに目の前に出されたもの。

見慣れた、オレンジ色の──……




「……風船」