「……今さあ、“何で隣にいるのが東條じゃないんだろう……”

とか思ったろ?」



一瞬、ギクリと胸が高鳴る。

……なんて勘の鋭い。




「……ま、まさかぁー‼
あたしがそんなこと思うわけ……」

「あるでしょ?」



「……ハイ」



って、何素直に答えちゃってんの、あたし‼

だって、なんだか生嶋くん怖いんだもん‼



なんて、心の中で訳のわからない自問自答を繰り返していると。




「……っぶ‼」



突然生嶋くんが目の前で立ち止まり、あたしは生嶋くんの背中に顔面強打。

……い、痛い。




「…ちょっと生嶋くん‼何し──……」



“何してるの”

そう、言おうとしたはずなのに。


それを言い終わるよりも前に、あたしの唇は何かによって塞がれていた。