「つ、……着いたぁーっ‼」



やっとたどり着いたよ、春ヶ丘遊園地‼

ここまで来るために、あたしはどれだけの時間を費やしたことか……




「……何してんの、行くよ」



そう言って、ぼーっと立ってるあたしの腕を引っ張るのは、当然生嶋くん。




「行くよって言ったって、どこいるかわかんないじゃん。放送で呼び出してもらおうよ」



「……はあ、お前バカ?
正面からケンカ売るつもり?」



……ゔ、確かに……
言われれば、そうなんだけど……




「それより、地味に探した方が良いって。

ほら、早く」




しぶしぶ、あたしは生嶋くんの後ろをついて行くような形で歩き出した。


途中ですれ違うカップルは、みんな仲が良さそうで。

……何だか少し、胸が痛い。



ほんとなら、あたし東條と来てるはずだったのに。