「……っう」



「……俺が泣かせたみたいなんですけど」



ポン、と生嶋くんの手が優しくあたしの頭を撫でた。

なんかあたし今日、頭撫でられてばっかりだ……




「い……、生嶋くんが、泣かせたんだよ……っ」



「は?俺、女泣かせる趣味ありませんけど」



しれっとそう言い放ち、生嶋くんは大して興味もなさそうにスマホを触り出した。



……女の子泣かせておいて放置かよ。


グスッと鼻をすすって、生嶋くんに視線を向ける。

一瞬、顔を上げた生嶋くんと目が合って。





「……ぷっ」



鼻で──いや、声を出して笑われた。


って言うかさあ。
女の子の泣き顔見て笑うって、失礼じゃないか、君。



そのまま、今度はククッと口を押さえて笑っている。