生嶋くんは呆れたようなため息をついてあたしを見る。

……ゔゔ。
目線が痛い。





「すいません……お手間をかけまして……」



「ほんとだよ。俺、お前ほどヒマじゃないから」



「……申し訳ありません」



だんだん、自分の声が小さくなっていくのがわかる。

……情けない。





「ほら、降りるよ」



「え?」




ちょうど、バスが停留所に着いたらしい。

生嶋くんはそう言ってあたしの手を引くと、バスから降りた。





「ハイこっちー」



「……ハイ」




生嶋くんも東條のことを考えてか、あたしの手首を掴んで前を歩いている。

……なんかほんと、迷惑かけちゃってるなあ、あたし。