「……っえ、良いんですか?」



その言葉に、ぱあっと表情を明るくして嬉しそうに笑う香乃華さん。


……良かったの、かな。

でも……良いんだよね、これで。



小さくため息をついた時、今度はあたしのスマホにメールが届いた。

隠して、こっそりと開く。



“待ってろ”



内容は、それだけ。


だけど、それだけで良いの。
それだけで、あたしはまた頑張れる。




「んー……
私、遊園地行きたいです‼」



「遊園地?うん……まあ、いいや」




一瞬躊躇ったのは、多分あたしのことが頭に浮かんだから。


約束、したからね。

カップルコンテスト終わったら、遊園地行こうって。



……でも、あたしは大丈夫だよ。

好きだよ。
東條が、好き。



──だから、

……だからあたしは、東條の家を、とる。