一瞬、シンとなったダイニングルーム。

沈黙を破ったのは、東條のお母さんのため息だった。



「泰臣、いい加減にしなさい。

どうしてそんなに、あの子にこだわるの?」



そう言って、あたしの方に向けられる視線。

思わず身体がビクッとなり、その冷たい視線に身体が強ばる。




「あの子の、どこにそんなに魅力があるの?
どうしても、あの子じゃなきゃいけない理由があるの?


──大人になったのに、我が侭ばかり言うのはもう止めなさい」




動けなかった。

何も、言えなかった。


そこまで拒絶されて、あたしは一体どうすれば良いのかわからなくて。




「……っ」




すがるような気持ちで東條に視線を向けても、東條は下を向いたまま。