「んん……」



そっかあたし……
いつの間にか寝ちゃったんだ。

身体を起こし、辺りを見回す。



大きなベッドには、あたし一人。
大きな部屋には、まだ片付けていない段ボールに詰めたままの荷物。


そっか、あたし……




「部屋、もう違うんだ……」




あたしが目を覚ました時。
気持ち良さそうに眠る東條の顔を見ることは、もうないのかな。


あたしが寝坊した時。
目を開けたら、東條が笑顔で「おはよう」って言ってくれることは、もうないのかな。


あたし達……もう、別れちゃうのかな。





「……っ」



なんて、想像するだけで嫌だ。

涙が、溢れそうになる。
東條が隣にいてくれないことがこんなにも寂しい、なんて知らなかったよ。