やっぱり東條くらいの家になると、こんな家柄の人が普通になってくるのかな。

……なんて、ね。



あたしは、東條と付き合ってて良いのかな。
なんか──改めて違いを実感させられたって感じがした。





「あの?」



「あ、っはい?」



「そう言えば、お名前聞いてもよろしいですか?
歳も近いみたいなので」




そう言って、香乃華さんが笑う姿は、本当に様になる。
なんて言うか……外国の絵画みたいだ。



白い肌。
腰まである長いストレートの髪は、東條と同じ薄いはちみつ色に染まっている。





「あ、……秋月、蘭です」



「蘭、さん?お歳は?」



「えと、17です。高校2年生です」




香乃華さんと話すと、なぜか焦って早口になってしまう。
香乃華さんの独特な雰囲気がそうさせているのか、それはわからないけれど。