え?……誰?

訳がわからず、じっとその女の子の顔を見つめていると、その子が急にふっと笑った。




「あ、ごめんなさい、いきなり。

私、櫻宮 香乃華(サクラミヤ カノカ)と申します。
今日はお父様にお呼ばれして参りましたの。

ダイニングルームまでご案内お願い出来ますか?メイドさん」




首を傾げて、ニコリと花のように笑うその顔に。同性にも関わらず、思わずドキリとしてしまった。


……なに考えてんの、あたし。




「えっ、あ……ど、どうぞ」




カミカミになりながら、そう返事をすると。

香乃華さんはまたクスッと笑い、「そんなに緊張なさらないで?」とあたしに笑いかけた。



な、なんかこの人……

めちゃくちゃお嬢様オーラ出まくりなんですけど‼
しかも、かなり可愛くてお上品。