「ただいま」



「お帰りなさいませ、泰臣様」




玄関のドアを開けると、綺麗に並んで出迎えるメイドさん達。それを見ると、今でも少し気後れしてしまう。





「蘭さん‼

何してるんですか、早く着替えて来て下さい‼」



「あっ……はい‼」




そしてあたしは、いつもこんな扱いをされる。
……実際、あたしもメイドだから仕方ないんだけど。


メイドの仕事──と言うより、東條の世話をする代わりに、この家に住ませてもらってるんだから。



急いで階段をかけ上がり、部屋に入ると自分のメイド服に着替える。


……未だに嫌だ、これ。
コスプレだよ、ほんと。


だけど慣れてきたのか、この制服に着替えるのは早くなった。



……あんまり嬉しくはないことだけど。