東條と、手を繋いで教室までの道を歩く。



チラッと、横目で見上げてみる。

やっぱ、……かっこいい。
あたし、こんな人と付き合ってんだ。

しかも東條は、社長さんの息子だし……



なんて考えてると、あたし達の教室が見えた。

……あれ?





「と、東條?」



「なに?」



「なに?じゃなくて‼
手、離さなきゃ」




人前では、絶対にイチャイチャしたりしない。

あたしが嫌がるのが第一の理由だけど、東條のイメージを崩さないためでもあった。

それなのに……




「ちょっ、なんで離さないの?」




東條は依然、あたしの手を握ったまま。
止まらず歩き続けているから、教室はもう目の前にある。


あたしは思わず、繋いでいる手をブンブンと振り回した。