そんなあたしを見て、東條は小さくため息をついた。



「……そんなこと、気にしてたの?」



「そんなことって……‼」




だって、隠してたじゃん。

なにか、理由があったんじゃないの?
だから、無理矢理隠してたんじゃなかったの?


それなのに、あたしのせいでバレちゃったら……




「別に良いよ、バレたって」



だけど、東條は平然とそう言ってあたしの頭をくしゃっと撫でた。




「……別にもう、隠す必要ねぇから」



「え?」




……どういう意味?

訳がわからず首を傾げるあたしを見て、東條はもう一度くしゃりと頭を撫でる。




「俺の親父、社長でしょ。
だから小さい頃から言われてたんだよ、世渡りが上手くなれ、みたいなこと」