俺だけのLovelyメイド

「……仮に赤嶺さんが、蘭より俺のことを想ってくれてたとしたって、俺は応えられない。

赤嶺さんが俺を想うよりずっと、俺は蘭のことが好きだから」



そう、言って。
突っ立ったままだったあたしの手を、東條は握った。




「え、っ……東條!?」



「行くぞ」




そう言うと、赤嶺さんを残したまま東條はあたしの手を引き、部屋を出た。


腕を引かれながら、あたしはただじっと東條の背中を見つめていた。


東條……なんで?

だって、あんなことしちゃったら……




「……なんで、あんなことしたの?」




気付けば、そう口に出していた。
足が止まり、東條がゆっくりとこっちを振り向く。




「なんであたしのために……
せっかく……上手くいってたのに……っ」




なんで、なんで。
せっかく、今まで隠してたのに。

バラしちゃったら……