俺だけのLovelyメイド

……ガンッ‼


突然響いた音に、あたしは驚いて顔を上げた。

目に映ったのは、立っている東條と、驚いた表情を浮かべている赤嶺さんの姿。
そして足元に転がった、イス。




「さっきから聞いてれば、俺の何を知ってんの?」



「……え、東條先輩?」



「ほら。……なんも、知らねぇだろ。

知ったようなこと、軽々しく言ってんじゃねぇよ」




東條、なんで……

そう思っても頭が上手く回らない。


あたしの方を軽く一度だけ見て、東條はもう一度赤嶺さんの方を向いた。




「俺は優しくなんかないし、みんなが言ってるようなヤツじゃない。
外見しか興味がないヤツに、俺は興味はない」



「でも……っ先輩……」




赤嶺さんが何かを言いかけたけど。
それを言い終わるその前に、東條はその言葉を遮った。