俺だけのLovelyメイド

赤嶺さんの言葉に、あたしは思わず口をつぐんだ。

……なにも、言えなかった。



確かに、明らかに赤嶺さんの方があたしより可愛い。あたしよりも遥かに女の子らしいし、多分頭だって良い。


──あたし、勝てるとこなんて……一つもないじゃん。




「……っ」




……バカじゃないの、あたし。

こんな時に、泣きそうになるなんて。


自分が東條に似合わないことくらい、わかってた。
わかってた、……つもりだった。


それなのに──……




「あたし、東條先輩のこと本気で好きです‼

だから……っ、
だから、秋月先輩と別れて欲しかったんです」




……東條、今、なに考えてるのかな。

赤嶺さんの方に行っちゃうの?


こんなに、想ってくれてるんだもん。
可愛げのないあたしより、赤嶺さんの方が──……