俺だけのLovelyメイド

東條があたしの手を離して、教室のドアを開けた。その瞬間、女の子達の黄色い声が聞こえる。


う、うるさっ‼

あたしはひょっこりと顔だけ出して、教室の中を覗き込んだ。



東條は、女の子達の集団に向かってなにか話しかけている。


……なに、言ってんのかな。

もうちょっと前に出たら、聞こえるかも。
なんて思って、身体を前に傾ける。


も……ちょっと……




「……あの、うちのクラスに何か用ですか?」



「え……っうわわ‼」




その時。
後ろから突然声をかけられて、思わず身体のバランスが崩れてしまった。

グラリと身体が傾いたのがわかる。



バタンッ‼



……その音で、一瞬で教室は静かになった。

なんであたし、違う学年の教室で転んでんのよ。





「……蘭、何してんだよ」