「……意味わかんねぇ」



黙ったままのあたしに愛想を尽かしたのか、はぁ~と大きく息を吐き出して東條は呟いた。


胸の奥が、ズキンとする。




「意味、……わかんないのは、そっちでしょ!?
あたし見たんだよ……っ」



「だから何を……」

「東條が……っ‼
1年の女の子と……キスしてるのっ。

嫌いなら嫌いって、そうはっきり言えばいいじゃん‼
なんでそうやって……遠回しに、人のこと傷付けるの……っ!?

もう……っヤダよ。

楽しみにしてた、のに……
も……、ヤダ……」




一気にそこまで言葉にして。
あたし、ほんと東條に迷惑かけちゃってるだろうな、なんて思って。


だけど東條は黙ったまま、あたしを抱き締めてきた。




「なに……っ」



「──ごめんな」




なんで、謝るの。

キス、したこと……黙ってたから?