──……は?
東條……今、なんて言って……



“蘭の方が可愛いよ”




「……っ!?」



なっ、なっ、なに!?
一体どうしちゃったわけ!?

当の本人は、けろっとした表情のまま。




「……ね、熱ある?」



「は?ねぇよ、そんなん」



ないんだ。
そりゃ、これだけ口悪く話せるなら熱なんてないだろうな。




「全部、思ってることを言っただけだよ」




……ほら。
またこんなことサラッと言っちゃってるし。

なんて思いながらも、あたしは未だに心臓バクバクで。




「……っ好きな気持ちは、あたしだって負けてないもん」




だけど今日くらい素直になってみようかな、なんて。



結局最後は、二人とも顔を真っ赤に染めたまま、どちらからも何も言わずギュッと手を握った。










「やっぱ俺以外のヤツに触られるの禁止ね」



「……だからなんでそうなるの」