そのままポン、とあたしの肩を叩き、縁は自分の席に戻って行った。

……だからケンカじゃないって。




もう一度、東條の方を見てみたけれど……さっきと変わらない。
ニコニコとして、周りの女の子に笑顔を振り撒いている。


……ウソくさい笑顔。


その笑顔を見て、あたしはつい、そんなことを思う。





「……生嶋くん、ねえ……」



そう言われてみれば。
確かに、ちゃんと話したことなんてない。


でも──……
時々話した時は、いつも笑顔で笑って話をしてたっけ。




「……はぁ」



東條のことと、縁から言われた言葉。

東條と生嶋くんを交互に見ながら、あたしは自分の席に着く。


そしてそのままうつ伏せになり、いつの間にか眠ってしまっていた。