「蘭おはよっ。遅かったね?」



「あー……うん。ちょっとね」




教室に入って、一番最初に声をかけて来たのは、やっぱり縁だった。

縁に返事をして、チラッと東條の席を見る。




「え…?」



あたしの目に、映ったのは。
女の子と楽しそうに話をしている、東條の姿。


なによ……
いつもは、全く話さないくせに。

あたしに、見せつけてるの?





「秋月、おはよう」



ドアの前につっ立っていたあたしに、突然誰かが声をかけた。

振り向いて、顔を見上げる。




「……あ、生嶋くん。おはよう」



立っていたのは、同じクラスの生嶋(イクシマ)くん。

カッコいいし頭もいいし、結構クラスの人気者って感じの人。